親子関係にとって極めて大切なこと

2011.09.30

家屋型式は、日本家屋のもつ濃密な空間構成に基づいて長らく営まれてきたライフスタイルに容易に同化せず、非常に不安定な家族の在り方、住まいの暮らし方をもたらしたと言えます。もう1つは、子どもに勉強部屋として、独立した部屋を与えることを優先してしまい、部屋から出てこなくても、親は何も言えない状況をつくってしまったこと。受験戦争の激化により、子どもにはプライバシーを保つ閉じられた空間を与えることが良いという思考が定着してしまったため、個室化は一層進んで、ことに家族スペースと交わらない動線をもったnLDK型式の間取りは、子どもの姿を見えにくくしてしまいました。この2つの変化によって起きたのは、「家族の触れ合いの場」の喪失です。核家族化と軌を1つにして進む家族の個別化、個人化によって、家族の団欒も家族空間も、質的に変化を迫られています。子ども部屋を例にとると、私は、子どもが幼児期から思春期までを過ごす家族空間の在りようが、親子関係にとって極めて大切だと考えますが、「LDK+個室」スタイルは、子どもか身につけていかなければいけない社会性を育てにくい構造だと言えるのです。

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