注目したいのは、阪神大震災以降、急増している賃貸派の動向である。自宅が壊れ、住宅ローンだけが残る。建て替えも思うにまかせない。そんな悲劇を目の当たりにして、「持ち家より賃貸の方が気楽だ」というムードが広まっている。日経産業消費研究所の調べによれば、阪神大震災以後、「持ち家よりは賃貸で住む方がよい」と考えるようになった人は一五・二%で、これに「これまでもそう考えていたが、その考えが強まった」「これまで通りそう考えている」といった従来からの賃貸派を加えると、実に三一・八%の人が賃貸に軍配を上げている。三人に一人が「賃貸でいい」というのは将来のマイホーム市場を占う上で実に示唆的なデータだが、それもこれも高い割に狭くて安普請の家しか供給してこなかった戦後の住宅政策のツケ。人間の暮らしの真ん中になければいけない住宅を、戦後一貫して景気浮揚の道具にしてきた報いである。
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