地鎮祭も上棟式も考えていなかった

2011.10.21

最近、家を建てた夫婦の話である。奥さんが両親から相続した土地があったため、都内に小さな家を建てることになった。この夫婦は国際結婚で、夫はアメリカ人である。当然ながら、最初は地鎮祭も上棟式も考えていなかった。しかし、設計を依頼した建築家とやりとりするうちに、地鎮祭や上棟式の意味を教えられ、「形だけでもやろう」ということになった。資金に余裕がなかったから、地鎮祭といっても派手なことはできない。出席者は建て主の家族、設計を担当した建築家とアシスタント、工務店の社長と担当者だけ。

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式は工務店の社長が取り仕切った。神主は呼ばず、建設当事者だけが参加。真夏の昼前、猛烈に暑い日だった。建築予定地に繩を張り、簡単な祭壇をしつらえ、お神酒や果物をお供えする。土地の4隅にコメと塩をまき、最後に全員が榊を捧げて、工事の安全と無事を祈る。終わった後、夫は建築家にしみじみ礼を述べたという。「やってよかった。これで初めて、この土地に自分たちの家を建てる、というか、建てさせてもらうという実感が湧いてきました。ボクは神主さんに来てもらうような神道の行事には抵抗があったけど、考えてみれば。大工さんたちが工事の安全を祈るのは当然のことです」




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