巨大高層マンションは人間にとって適切なスケールか

2011.10.07

私たちが親密に想像できる範囲内の建物であるという意味もある。私のような細部を積み上げていての限界でもある。く形で、建物を構想するものにとって、それよりも大きな空間構造は、観念でとらえていくしかないため、空間のディテールなどはなおざりにせざるをえなくなるだろう。巨大な高層マンションははたして人間にとって適当なスケールなのだろうか。大いに疑問だ。事実、一九〇〇年代半ば、その人間の構想の限界に挑むかのような新しい都市が計画され、実際に未来都市といった形で建築された。だが、それらの都市を実際に訪れてみると殺伐とした空間が広かっているだけで、それは決して人間を幸福にはしない人工装置であった。面白いことに、緑も多く。広い道がまっすぐに走っているきちんと配列された空間に、人は心地よさを感じないらしい。実際、それらの都市で建物の外に出ている人の姿は驚くほど少ない。建物の内部には人が多いにもかかわらず。不幸なことに、巨大建築と権力は結びつきやすく、かつて壮大な都市や巨大な建築物が強大な権力者によってつくられていった。ところが、同じ巨大建築でも、民主主義を標榜した二〇世紀の都市計画がむしろ殺伐とした雰囲気を生んでいるのは何という皮肉だろう。

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