ひびわれがアルカリ骨材反応をおこすと、コンクリートは逆に膨張しはじめるが、この膨張は、鉄筋のような拘束体によってさまたげられる。その結果、コンクリートには梁の長手(部材の寸法の長い側)方向に圧縮力が作用する。コンクリートは圧縮力を受けると、その方向に直角に引っぱり力が作用する。この結果、アルカリ骨材反応によるひびわれは、梁の長手方向に生じることになる。建物の鉄筋コンクリート基礎の立ち上がり部分では、水平な方向にひびわれが発生する。アルカリ骨材反応が進行した建物の耐力は大幅に低下していることが多いので、このようなひびわれが発見された場合には、詳細な調査・診断が必要である。アルカリ骨材反応は、アルカリ分の多いセメントとアルカリ反応性骨材を使ったコンクリートに発生するが、このような条件は、一九七〇年代から八〇年代前半につくられた建物に限定される。鉄筋が膨張した場合にも、コンクリートにひびわれを生じる。この場合、ひびわれは鉄筋の直上に生じる。海岸の橋梁のコンクリート桁のように、腐食が鉄筋のほぼ全長にわたって進行する場合には、ひびわれは鉄筋に沿って桁の長手方向に発生する。しかし、鉄筋コンクリート建物の外壁の場合、鉄筋腐食によるひびわれは、海岸の橋桁のような典型的なひびわれパターンにはならない。局所的なひびわれの発生と鉄筋表面のコンクリートの剥離がほぼ同時におこることが多い。
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